
児童デイサービスでは、子どもたちの「楽しみ」と「学び」を両立させる活動が求められます。そんな中、注目を集めているのが**プログラミング学習アプリ「スクラッチJr」**です。
この記事では、実際に児童デイでスクラッチJrを導
入して感じたメリット・活用法・保護者の反応などをリアルにご紹介します。これから導入を考えている事業所や、活動ネタに悩んでいる支援員の方に役立つ情報をお届けします。
スクラッチJrとは?対象年齢と特徴を解説
スクラッチJr(Scratch Jr)は、5〜7歳向けに設計された無料のプログラミング学習アプリです。ブロックを組み合わせるだけでキャラクターが動いたり、音が鳴ったりと、直感的に「論理的思考」を育てる設計になっています。
主な特徴:
- 完全無料(iPad・Androidタブレットに対応)
- 文字が読めなくてもOK
- 「動き」「音」「見た目の変化」などが直感的
- 保存も簡単で、複数のプロジェクトを作成可能
発達段階に合わせた活動がしやすく、グレーゾーンの子やASDの子にも親和性が高いです。
なぜ児童デイでスクラッチJrが有効なのか?
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、「自己表現」や「思考力」の向上が療育目標に含まれます。スクラッチJrは、以下の点で特に優れていると感じました。
① 感覚統合的なアプローチができる
タップやスワイプなどの指先操作は、微細運動の練習にもなります。
② 「できた!」を感じやすく自己肯定感が高まる
簡単な操作でキャラクターが動くため、「自分で作った!」という体験が得られます。
③ 言葉が苦手な子も参加しやすい
音や絵で表現できるため、言語に課題がある子でも参加しやすいです。
活用例①:キャラクターを動かして遊ぶ
まずは「ネコを前に動かす」だけでも十分。子どもたちは自分でブロックを並べ、タップ一つで動くのを見て大喜び。
markdownコピーする編集する活動内容例:
・キャラクターを選ぶ
・「前に動く」ブロックを5回並べる
・スタートボタンを押して確認
ここで、「どうすればもっと遠くまで動くかな?」と思考を深める声かけを入れると、自然と試行錯誤が始まります。
活用例②:オリジナル物語の制作
慣れてきたら、「背景」「複数のキャラクター」「せりふ」「動き」などを組み合わせて、オリジナルの物語を作る活動へ。
例えば、
- 海の背景にサメが登場し、魚を追いかける話
- おばけ屋敷でネコが宝探しをする冒険
など、自由な発想で制作する子が多く、自己表現の幅が広がります。
活用例③:ルールを決めてゲームを作る
スクラッチJrでは、簡単なルール付きゲームも作成可能です。
例)「ネコがボールに当たったら、音が鳴る」
- 「ぶつかったら音」ブロックを追加
- 複数キャラの動きを同期させる
タイミングや順序の理解が必要になるため、論理的思考の練習にもぴったりです。
子どもたちの反応・保護者の声
実際に導入したところ、以下のような声が聞かれました。
- 「普段集中しない子が、ずっと取り組んでいた」
- 「自分の作品を友達に見せて、誇らしげだった」
- 「家でもやりたい!と言っていた」
保護者からも「こんなに集中できるなんて驚きました」「家でも使ってみたい」との声をいただき、家庭との連携にも良い影響がありました。
導入のポイント:準備・注意点
準備するもの:
- タブレット端末(1人1台 or 2人に1台が理想)
- Wi-Fi環境(アプリDL時のみ必要)
- 活動の流れを可視化するホワイトボード
注意点:
- 操作説明は短く!実践重視
- 時間設定は柔軟に(20〜30分程度)
- 「できない」ではなく「試す」を応援する姿勢が大切
おわりに:スクラッチJrで「学ぶ楽しさ」を
スクラッチJrは、遊びと学びが融合したツールです。ただ遊ぶだけではなく、「なぜ動いたのか?」「どうすれば思い通りになるか?」と考えることで、自然にプログラミング的思考が育ちます。
児童デイの活動で「何をしたらいいかわからない」というとき、ぜひ一度スクラッチJrを取り入れてみてください。
🔍まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
アプリ名 | スクラッチJr(Scratch Jr) |
対象年齢 | 5〜7歳(非言語の子もOK) |
活動のねらい | 自己表現、論理的思考、自己肯定感 |
準備 | タブレット・Wi-Fi・活動シート |
おすすめ活用法 | ①キャラを動かす ②物語制作 ③ゲームづくり |
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